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― 流した汗は、いつか心を支える ―










空手の稽古に通い始めた頃、










指導してくださっていた先生(弐段)に、










久しぶりにお会いしました。









先生は私より16歳も年下でしたが、










礼儀正しく、立ち姿も美しく、










どこか品のある方でした。








その姿に私は惹かれ、










気づけば“目標”のような存在になっていました。








先生はすでに道場を退会されていたそうで、










再会はおよそ2年半ぶり。








「どうして道場をやめたんですか?」と尋ねられ、










私は素直に理由をお話ししました。








すると先生は穏やかに微笑みながら、こう言いました。











「弐段になるには、10年はかかるかもしれませんね。」








その一言に、不思議と心が静まりました。








私は週に5〜7回も稽古に励み、










汗を流し続けていました。








それでも越えられない“壁”があることを、










痛いほど感じていたのです。








館長先生はいつもこうおっしゃっていました。








「稽古で流した汗は嘘をつかない。」








その言葉を、私は長い間










「努力は必ず報われる」という意味だと思っていました。








けれど今は、少し違う解釈をしています。








努力の結果ではなく、










努力を続けたその時間そのものが、










いつか自分を支える――








そういう意味だったのかもしれません。








空手は技を磨く道であると同時に、










心を磨く道でもあります。








そして時には、「続けられなかった」という経験の中にも、










学びがあるのだと思います。








あの頃の汗も、痛みも、葛藤も、










すべてが今の自分をつくっている。









私は空手をやめました。










けれど、心の中では今も稽古を続けています。








日々の暮らしの中で、静かに息づく呼吸のように。








あきらめることと、やめることは違う。








あきらめない心があれば、










形を変えても“道”は続いていくのです。





結びの一言
過去の努力は消えない。








それは、これからの自分を照らす静かな灯りになる。





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【2025/10/22 09:06 】






前蹴り(第一基本その3)です。










「前けり用意!」という号令で構える。










1 構え(息を吐く)
右足を引き左足のひざを折って前屈立ち。(背筋をまっすぐ伸ばし、左股関節を内側に折る)両手を15度前に出し、両手には水がいっぱいのバケツを持つイメージで正拳。



目線はまっすぐ前。



号令に合わせて、2,3,4、5の動作を連続で行う。










2 右足のひざ膝を胸の高さまで引き上げる。(お尻をまっすぐ下に。下丹田に力を入れる。左足のひざは伸ばさない。)



つま先は上に向け、足首を曲げる。



体が後ろに倒れないよう、背筋を伸ばしたまま。目線は前の敵を凝視。










3 蹴り出す(息を吐く)
右足を前方に素早く伸ばす。



足の指の付け根(母指球の山)で前を蹴り押す意識。



蹴る高さは腰の高さ(水月)を狙う。










4. 引き足
右足をすぐにひざ膝を曲げて(下丹田に力を入れる。)胸の前まで引き戻す。



「蹴った瞬間に引く」つもりで素早く。










5. 元の構えに戻る
右足のかかとを素早く着地させ、初めの構えをつくり前の敵に備える。



腰と目線、背中はぶれないように。



次の動作に入れる姿勢で止まる。


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【2025/10/04 16:28 】
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