一つの突き、一つの蹴りの密度を上げる。
練習では、集中力を上げて突く、蹴ることが効果を上げる道だ。
集中力を上げて五感を研ぎ澄ませば、
丁寧さが出る。そうさばき方が恐ろしく丁寧になるのさ。
空手の稽古では、コンセントレーションが大事なんだよ。
空手の稽古で師匠が話された「心外無刀」について調べてみた。
小 野派一 刀流 の宗 家 を継 承 した 山岡鉄 舟(1836~1888)は 、
武 士道 を実 践した だ けで は な く、武 士道 につ いて も解 説 し、
日本 人 の精神 教 育 に貢 献 をな した。
剣 術 の 面 では 、明 治天 皇 の 下賜金 で剣 道 場 「春 風館 」 を創建 し、
無刀 流 を創 始 して 「心外 無刀 」 を唱 え、
剣 術修 行 の究 極 は 、心 の修 行に他 な らな い とい う思想 を確 立 して い る。
他にも、幕 末 に将 軍徳 川 慶喜 の命 を承 け 、
官 軍 を指揮 して いた 西郷 隆盛 と直談判 し、 江戸 を戦火 か ら救 って い る。
また 、西郷 に請 われ て 明治 天皇 の侍 従 とな って信 頼 され 、
そ の人格 形 成 に影 響 を与 え た と伝 え られ てい る。
山 岡鉄 舟 の 「心外 無刀 」 は 、 心学 と同様 に 、
心 の修養 を重視 して い る点 で、禅 宗 の 「心外 無法 」 を剣 術論 と して の展 開 した もの で あ る と見 る ことが で き る。
明代 の王 陽明 も 「心は即 ち理 な り」、(『王 文成 公 全書 』巻 一)、
「心 の外 に物 無 し、心 の外 に事 無 し、心 の外 に理 無 し、心 の外 に 義無 し、 心の外 に善無 し」(同 巻 四)と 述べ て い る。
宋 代 明代 の心学 にお け る「心外 無理 」 とは 、心 に天 理(正 義)が 備 わ ってい る とい う意 味 で あ る。
が 、この よ うな見解 は、いず れ も禅 宗 の 「心 の外 に真 理 は無 い(心 外 無 法)」(『伝 灯録 』巻 二十 五 ・『五灯 会元 』巻十 等))と い う句 の影響 を受 けて い る。